充実感とは結局何なのか(意味を真面目に考える)
人生を楽しくするための一要素として、充実感を感じることが必要である。
そもそも充実感とは何なのか。何がどうなると充実感を感じるのか。
充実感の意味を再確認し、発生条件を明らかにすることで、自発的に充実感を得ることができるようになり、人生が楽しくなるはずだと考えるので、真面目に考えてみる。
充実感とはどういう意味か
「リア充」という言葉が使われ始めたのは、今から13年ほど前のようであるが、この「リア充」という単語が登場するまで、充実感が何たるかを意識したことがなかった。言葉とは実に不思議なもので、新しい単語が普及するとその概念が頭に刷り込まれる。
それまで自分は「リア充」であるか否かを考えたこともなかったのに、「リア充」という単語ができたことで、自分が「非リア(現実世界が充実してないことを表す自虐表現)」であることを認識せざるを得なくなった。
この現象は他にも当てはまるだろう。例えば、「KY」や「アスペ」などがそうだと思われる。ただ、デメリットだけでなく、メリットもある。どこか自分はそうなのかなと思って違和感を感じていても表す言葉がなかったが、新しい言葉ができることでスッキリすることもあるからである。
話がそれたが、そもそも、充実感とはどのような意味か辞書で調べてみる。
充実感
出典:実用日本語表現辞典
では、心が満たされている状態とはどういうことか。
満たす
読み方:みたす
別表記:満す、充たす、充す
(1)場所や容器などにものをいっぱいに入れることを意味する表現。
(2)ある条件や要求などに合っていることを意味する表現。
(3)ある欲求に対して心理的あるいは生理的に満足することを意味する表現。出典:実用日本語表現辞典
この文脈においては(3)が適切だろう。
つまり、充実感とは、心理的、生理的な欲求が満足した状態であると考えられる。
マズローの欲求五段階説、欠乏動機、成長動機
欲求が満足した状態といえば、マズローの欲求五段階説を取り上げなければならないが、このことについてはすでに周知のことであり、解説サイトは山ほどあるため詳細を割愛し、簡略図を示すのみとする。
人間は下位の段階の欲望がある程度満たされると、次の段階の欲望がわき、最終的には自己実現に向かって成長するという。
加えて、マズローは「欠乏動機」と「成長動機」という概念を示している。
欠乏動機とは、上記図の①~④に示した欲求が充足されていない=欠乏しているため、それを満たしたいから行動する、というものである。①~④の欲求がすべてある程度満たされると、成長動機のほうが強くなる。
一方、成長動機とは、上記図の⑤に示した欲求に基づいており、成長することそれ自体が行動目的のことである。自分らしさを常に追求していく、自己成長することが成長動機といえよう。
どうやって充実感を発生させるか
では、心理的、生理的欲求が満たされた状態(充実感)とはどの段階を指すのか。
⑤の自己実現欲求は、満足することがない。自己成長には終わりがないからである。そう考えると、①~④の欲求を満たし、⑤の段階に到達した状態であると考えられる。
では、どうやって①~④を満たすのか。
そもそも、①~④の欲求は外部環境に依存する欲求である。人間には欲求基準(容器のようなもの)があり、それに対してどれだけ満たしたかが満足感の基準となる。
例えば、①生理的欲求を例に挙げると、自分は毎日8時間は寝ないと寝不足を感じるというのであれば、その人の欲求基準は8時間である。
難しいのは④の承認欲求である。これについては、人によって欲求基準が大きく異なり、常にちやほやされていないと生きていけなかったりする人もいる。そのような状態では、いつまでたっても④承認欲求を満たすことができなくなる。
しかし、その欲求基準については自分が決めることができる。フェイスブックやツイッターでいいねを1万件もらったら満たされるのか、100件もらったら満たされるのか、あるいはこの人から認められたらそれだけで満足だ、といった具合に。
欲求五段階説に基づき、充実感を得るためには、いかに早く①~④の欲求を満たし、⑤自己実現欲求を追求できるかがカギとなる。そして、①~④の欲求を早く満たすためには自分の欲求基準を下げることが重要だ。
そう考えると、なんてことはない、昔から言われている多くを求めすぎないこと、足るを知るということが充実感を得るためには重要なんだということを再確認しただけであった。
(結局、昔から言われていることや世間一般に考えられていることは根拠がある)
まとめ
・充実感の発生条件は、マズローの欲求五段階説に基づけば、①~④の欲求を満たし、⑤の段階に到達することである。
・マズローの欲求五段階説の①~④の欲求を満たすためには、自分の欲求基準を下げることが重要である。
⇒すなわち、多くを求めすぎないこと、足るを知ることが重要である。
※記事が面白かった場合はクリックをお願いします。自信につながり、より良い記事を提供するための動機になります。