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内向的な視点から考える大企業での生き方【書評:人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている】

 昨日、通勤電車の広告に『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』という本が載っていた。

 

タイトルを見て、うすうすそういう世の中なんだろうなぁとは感じていたこと(後知恵バイアス)、レビューを見て色々な人からめちゃくちゃ高評価だったことから(ハロー効果)、その日のうちに購入し、読んでみた。

 

結果、上記に挙げた購入前の心理がガッツリ書かれており、まさしく勘違いさせられてしまったので、内向的な視点から読んだ感想を書きたい。

 

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

 

 

 

 

社会人で成功したかったら実力よりも錯覚資産を増やすほうが大事

序盤で著者は社会人の成功・失敗を決める要因は、運、錯覚資産、実力の3つだと指摘する。

錯覚資産とは

錯覚資産とは、「他人が自分に対して持つ、自分にとって都合のいい思考の錯覚」のことである。

錯覚資産は、ハロー効果によってもたらされる社会的な恩恵であり、それは資産になるということである。

 

ハロー効果とは

mba.globis.ac.jp

先生は先生という職業ゆえに、きっと教育熱心で、子どものことを一番に考えており、聖人なのだろう、と思ってしまうことである。しかし実際は、教員の生徒に対するみだらな不祥事は後を絶たないなど、教員=聖人のロジックは成り立たない

 

大企業はピラミッド構造

ほとんどの組織は、ピラミッドの頂点から底面まで、「ハロー効果でずぶずぶに汚染された直感」で、意思決定されている

もし、あなただけ、「ハロー効果に汚染されていない直感」で意見を述べたら、たとえあなたがどんなに正しいことを言っていたとしても、ピラミッドの上から下まで、全部と対立することになる。

私は従業員が数万人の組織に勤めている。人数が多くなるほど、権限が明確なピラミッド構造は合理的だ。なぜなら、一つの事業を行うためには多くの人員を動かしたり、調整する必要があるが、自分勝手にやっていたらスピーディな事業推進ができないためである。各々が与えられた職務権限の中で、与えられた仕事を最大限行う。

 

しかし、上の役職の一言で物事が覆ることはしばしばある。どう考えてもそれが正しくないと思っていても意見を言うことさえ許されない。まさに上記の通り、「ハロー効果でずぶずぶ」なのである。

 

「部長が言うんだから、正しいんだろう」と人々は無意識のうちに受け入れていた

だからこそ、神戸製鋼三菱マテリアルのようなデータ不正問題が起こったのではないか。

 

好きな人の人事評価が高くなる!?

心理学者のポール・スロビックの実験を引き合いに出している。

『「個人的な好ましさ」と「メリットの大きさ」』は、あり得ないほど高い相関を示した

同様に、『「個人的な好ましさ」と「リスクの小ささ」』、『「リスクの小ささ」と「メリットの大きさ」』も、それぞれ、あり得ないほど高い相関を示した。

そのうえで、

好ましい技術というのはメリットばかりでリスクなんてほとんどないし、気に入らない技術というのは、メリットなんてほとんどなく、リスクは非常に大きいのだ。

 

確かに、何かを購入する時なんかはそうやって信じ込むことで買う決心をつけたりする。これが気に入ったから買う、メリットはこれこれと思って買ったときにリスクなんて考えていない。だから、すぐ使わなくなったりするのだが…。

 

しかし、現実世界は矛盾だらけ、トレードオフだらけと指摘する。

確かに、教職者の鏡であるはずの中学校長がフィリピンで12600人も売春するなど、良い人だと思っていたのにヤバい人はいくらでもいる。

matome.naver.jp

 

 にもかかわらず、

世界は単純明快で、判断は簡単で、難しいトレードオフに直面して悩む必要なんて、ないのである。人間の頭の中では。

とし、

自分が個人的に嫌いなものは、常に邪悪だし、間違っているし、ろくなメリットがなく、リスクが高いのだ。

自分が個人的に好きなものは、常に善良だし、正しいし、メリットは大きく、リスクが低いのだ

人間の脳内の世界というのは、そういうものなのだ。

これを「感情ヒューリスティック」というらしい。

 

とくれば出世にはやはり上司にゴマをすって好きになってもらうのが一番だ。しかし、直属の上司だけが評価しているのかというとそうではない。多くのプロジェクトは横断的だし、組織はピラミッド構造なのだから、自分のセクションではない、役職が上の人に媚びを売るのも重要だ。

 

どうやって出世するか

ハロー効果の強さ×思い浮かびやすさ×思い浮かべる人の数×思い浮かべる人の質」という4次元図形の体積で表現できるものだ。

 サイコロを振る回数を増やすことに時間を使ったほうが、断然、成功確率は高くなる

社会人は実力だけじゃ出世できない。感情ヒューリスティックをうまく使い、錯覚資産を増やしていく必要がある。そのためには、色んな部署の人に対して(思い浮かびやすさ)、自分がどういう人間か(ハロー効果の強さ)知ってもらい、好かれる努力が必要だ。

そして、色んなプロジェクトに手を挙げたり、様々な人と仕事をする(サイコロを振る回数を増やす)のも大事だ。

 

内向的な人にとっては

それってつまり、内向的な人にとってはめちゃくちゃハードルが高い。そもそも、内向的な特性として、あまり雑談をしなかったり、効率的だったり、考えるほうに時間を使ったりするけど、やっぱり世の中は外向的な人たちに有利にできている。

 

「内向的なリーダー」という言葉が流行ったが、上記のように考えると、そもそもピラミッド構造な大企業において内向的な人がリーダーになれる確率は低いんじゃなかろうか。もしくは自分を殺しているか。

 

しかし、会社の外、ネット上のSNSやブログでは戦える余地がある。もちろん、フォロワーを増やしたり、読者を増やす努力は必要かもしれない。だが、上記の「思い浮かべる人の質」という点においては、一番アクセシブルだ。

 

話題の15歳の天才シンガー崎山蒼志は、「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音が自身のツイッターで紹介したことにより、爆発的な人気を博した。確かに元々実力があったのかもしれないし、実力があったからAmebaTVに出れたのかもしれない。

 

しかし、ハロー効果が生まれているのは間違いないだろう。この人が実力あるっていったんだから、上手いんだろうと。

abematimes.com

 

この例に限らないが、絵画や写真、学会すべて同じだ。師事する人が著名であるほど、自分も引き上げられる。

 

成功の定義は人それぞれだが、世間一般に認知され、実力が認められるためには、サイコロを振る回数(自分が表現する回数)をとにかく増やし、影響力がある人に見てもらうことが重要である。

 

だと思いましたよ。知ってました。前から。ホントですよ。ぜーんぶ知ってた。

 

まとめ

内向的な人が大企業で出世するには、色んな人にゴマをするなどかなりの努力が必要。

SNSやブログにおいては、表現の回数を増やすだけ、錯覚資産を増やせる可能性がある。

 

 

 

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